2007/04/26

おい

プラトン「国家」 第一巻から抜粋

ソクラテスと対話する、老人ケパロスのセリフ

テーマは、老年がつらい時期なのかどうか。

「同じぐらいの年齢のものが何人か一緒に集まることがよくあるのだが、そういう集まりの場合、悲嘆にくれるのがつねなのだ。
若い頃の快楽がいまはないことを嘆き、女と交わったり、酒を飲んだり、陽気に騒いだり、その他それに類することをあれこれやったのを思い出しながらね。」

*   *   *   *

「『どうですか、ソポクレス』とその男は言った、
『愛欲の楽しみのほうは?あなたはまだ女と交わることができますか?』
ソポクレスは答えた、
『よしたまえ、君。私はそれから逃れ去ったことを、無上の歓びとしているのだ。たとえてみれば、狂暴で猛々しいひとりの暴君の手から、やっと逃れおおせたようなもの』
私はそのとき、このソポクレスの答を名言だと思ったが、いまでもそう思う気持ちにかわりはない。まったくのところ、老年になると、その種の情念から解放されて、平和と自由がたっぷりあたえられることになるからね。さまざまな欲望が緊張をやめて、ひとたびその力をゆるめたときに起るのは、まさしくソポクレスの言ったとおり、非常に多くの気違いじみた暴君たちの手から、すっかり解放されるということにほかならない。
端正で自足することを知る人間でありさえすれば、老年もまたそれほど苦になるものではない。が、もしその逆であれば、そういう人間にとっては、ソクラテス、老年であろうが青春であろうが、いずれにしろ、つらいものになるのだ」

ですって。

今も同じかもしれませんねえ。

居酒屋で、「俺も昔は~だった。」と声高に自慢話をしてるおじさん。

いるよね。 気持ちはなんとなくわかる。

もっと老いたら、もっと言うぞ。きっと。
そのうち嘆きも一緒になって言うぞ。

端正で自足することを知る人間。
きちんと、今自分の置かれてる状況・立場をある程度(自分の人生の、他の可能性も少し頭で考えつつ)満足する人間。

なれるかしら。

こんなにいろんなものが欲しい毎日なのに。

とまあ、本読みながら聞いてたのはこれ
      
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